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スクイズダイカストとは?特徴や欠点を解説

ダイカスト法を利用すれば、板金では実現できない複雑な形状をしたものや寸法精度の高いものを製造できます。

そのため、さまざまなダイカスト法の中でも、スクイズダイカストが自社にとってベストな鋳造技術なのではないかと、気になっている方は非常に多いです。

 

今回は、スクイズダイカストとはいったいどのような鋳造技術なのか、その特徴や利点、欠点についてスクイズダイカスト製造ができるメーカーを探している会社様に向けてわかりやすく解説していきます。

 

▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。

帝産大鐘ダイカスト工業 製造事例

 

スクイズダイカストとは

スクイズダイカストは、特殊ダイカスト法のひとつでグラビティ製法と通常のダイカスト製法の2つの技術を組み合わせた鋳造技術のことです。

ダイカスト法には、複数の種類がありますが、スクイズダイカストがもっとも見聞きするケースが多いです。

 

一般的にダイカストマシンは横型と呼ばれていますが、スクイズダイカストは、縦型の名称で呼ばれています。

この縦型という名称の呼び方は、溶湯の充填の仕方が大きく関係しています。

 

たとえば、一般的なダイカストマシンの場合は、溶湯を充填したあと、そのまま射出します。

一方で、スクイズダイカストは、射出機構とスリーブが型の方向に対して垂直設置されるため、下方向から上方向へと低速充填していく仕組みとなっています。

 

スクイズダイカスト法の特徴

スクイズダイカスト法は、他の鋳造技術と比べて何が異なるのでしょうか。

次に、スクイズダイカスト法の具体的な特徴についてご説明します。

 

特徴①:低速射出で溶湯を充填する

スクイズダイカスト法は、一般的なダイカスト製法の技術以外にもグラビティ製法を組み合わせた鋳造技術で溶湯を金型下部より低速で充填し、圧力を加えていくという特徴があります。

この技術を実現するには、非常に高度な経験と技術力が要求され、会社によってオリジナルの製法や技術が存在します。

 

特徴②:縦方向に射出する

スクイズダイカスト法は、一般的な横型のダイカストマシンと異なり、縦型だとご説明しました。

実際に、スクイズダイカスト法では、縦型スリーブを使って、縦方向に射出するという特徴があります。

スリーブについては、筒状のパーツをイメージしていただけたらと思います。

 

特徴③:高圧を保持する

スクイズダイカスト法は、非常に高圧を保持した状態で溶湯を金型に流し、鋳造します。

50~110Mpaの高い圧力を加えるため、ひけ巣による鋳造欠陥のリスクが少ないというのが特徴です。

 

特徴④:溶融の保温性が高い

通常の縦型のスリーブと比べて、射出機構の形状が横型のスリーブ形状となっているため、高いスリーブ充填率によって溶湯の保温性が非常に優れているという特徴があります。

その結果、特徴①でご紹介したように低速射出で溶湯を充填できます。

 

スクイズダイカスト法の利点

スクイズダイカスト法の特徴を知ることで、「いい技術だな!」と思えるポイントが見つかったかもしれません。

次に、スクイズダイカスト法の利点についてご説明します。

 

利点①:製造欠陥が少ない

スクイズダイカスト法は、縦方向で低速射出する技術なので、金型内に含まれる空気を無駄なく排出しながら、溶湯を充填できます。

その結果、ガスが少なく空気の巻き込み(鋳巣の原因)や加圧によって引け巣の発生を抑えられ、鋳造欠陥が少ないという利点があります。

 

利点②:熱処理や溶接が可能

利点①の「製造欠陥が少ない」に関連しますが、スクイズダイカスト法は熱処理や溶接が可能な鋳造技術です。

一般的に、製造欠陥(鋳巣)が生じたものに熱処理を行えば、内部欠陥の発生につながります。

しかし、ガスの含有量が1mL/100gAl以下と非常に少ないため、鋳造欠陥につながる懸念がない、または減るという利点があります。

 

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帝産大鐘ダイカスト工業 製造事例

 

スクイズダイカスト法の欠点

次に、スクイズダイカスト法の欠点についてご説明します。

 

欠点①:製造装置が縦に大きい

スクイズダイカスト法を利用するには、縦に非常に大きな製造装置が必要となります。

そのため、それだけ縦に大きな製造装置を設置できる環境がなければ、技術の利用はできません。

 

欠点②:設備コストが高い

会社に縦型の製造装置を設置するには、非常に大きな設置コストが発生します。

そのため、予算に余裕のない会社では、設備の設置自体ができません。

 

スクイズダイカストの用途

次に、スクイズダイカストの利用用途についてご説明します。

 

用途①:溶接部品

世の中には数多くの溶接部品が存在します。

スクイズダイカストの鋳造技術があれば、鉄と鉄をつなげる溶接が簡単にできます。

 

用途②:強度が必要な部品

会社で利用するコンプレッサー部品は、非常に高い耐性が求められます。

スクイズダイカスト法なら、高い強度が要求される耐性部品の製造でも問題ありません。

 

まとめ

スクイズダイカストは、縦方向射出によって低速充填が可能な鋳造技術です。

下部から上方へと低速充填するため、巻込み巣の低減はもちろん、ひけ巣といった鋳造欠陥が生じづらいのが特徴です。

 

もし、スクイズダイカスト法に関心がある場合は、信頼できるメーカーへ依頼可能かどうか相談してみましょう。

 

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