「亜鉛ダイカストとステンレスの違いがわからなく比較できない」、そういった悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そもそも、亜鉛ダイカストはダイカストの種類であるのに対して、ステンレスは合金の種類です。
比較をする前にそれぞれの理解を深めましょう。
この記事では、亜鉛ダイカストとステンレスの特徴や比較について解説します。
目次 ▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。
亜鉛ダイカストとステンレスを比較
亜鉛ダイカストとステンレスを比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。
結論として、亜鉛ダイカストとステンレスを比較することはできません。
というのも、亜鉛ダイカストはダイカストの一種であり、ステンレスは合金の一種であるからです。
違いを理解するために、まずは亜鉛ダイカストとステンレスがどのようなものであるかを知りましょう。
亜鉛ダイカストはダイカストの種類
亜鉛ダイカストは、ダイカストの一種です。
ダイカストとは、溶融金属を金型に高速で充填することで製品を形成する金属加工法です。
高い圧力で充填するため、複雑な形状の製品でも瞬時に生産できます。
昨今において、生産されるダイカストの多くはアルミニウム合金で作られたアルミダイカストです。
アルミダイカストは生産性や鋳造性が高いため、亜鉛ダイカスト以上に普及しています。
一方、亜鉛ダイカストは加工性に優れています。
そのため、薄肉の製品の加工や寸法精度が求められる加工に最適です。
ステンレスは合金の種類
ステンレスは、合金の一種です。
また、正確なステンレスの定義は、クロムを含む鋼、もしくはニッケルと含有率11%以上のクロムを含む鋼です。
誰もがステンレスという言葉を聞いたことがあるように、食器や調理器具などに幅広く使用されています。
亜鉛ダイカストの特徴
亜鉛ダイカストの特徴を3つご紹介します。
- 表面処理を行いやすい
- 加工しやすい
- 寿命が長い
特徴①:表面処理を行いやすい
亜鉛ダイカストの特徴の1つ目は、「表面処理を行いやすいこと」です。
表面処理とは、素材の表面を加工することで別の特性を与える加工です。
表面処理を行いやすい亜鉛ダイカストなら、さまざまな特性を加えられます。
特徴②:加工しやすい
亜鉛ダイカストの特徴の2つ目は、「加工しやすいこと」です。
薄肉の加工や複雑な形状の加工でも、亜鉛ダイカストならば失敗する可能性を抑えられます。
また寸法精度も高いので、正確な加工が可能です。
特徴③:寿命が長い
亜鉛ダイカストの特徴の3つ目は、「寿命が長いこと」です。
「加工しやすい」という特徴は、寿命の長さにもつながります。
というのも、金型を痛めにくいため、一回の加工ごとに受けるダメージが少ないからです。
【関連記事】亜鉛ダイカストとは?5つの特徴と用途を解説
亜鉛ダイカストとアルミダイカストの比較
亜鉛ダイカストとアルミダイカストにおける3つの比較をご紹介します。
- 軽さ
- 溶融温度
- 生産量
比較①:軽さ
亜鉛ダイカストとアルミダイカストにおける比較の1つ目は「軽さ」についてです。
生産する製品の軽さは、アルミダイカストの方が優れています。
また、アルミダイカストなら軽さと強度を両立できます。
比較②:溶融温度
亜鉛ダイカストとアルミダイカストにおける比較の2つ目は「溶融温度」についてです。
アルミダイカストより亜鉛ダイカストの方が溶融温度は低いため、より自由な形状の製品を生産できます。
▼高温および低温での機械的性質
引用:軽合金鋳物・ダイカストの生産技術 P.321より|素形材センター
比較③:生産量
亜鉛ダイカストとアルミダイカストにおける比較の3つ目は「生産量」についてです。
生産量はアルミダイカストの方が優れています。
アルミダイカストが広く普及している理由のひとつに生産性の高さが挙げられるでしょう。
ステンレスの特徴
ステンレスの特徴を3つ解説します。
- 耐食性が高い
- 見た目が美しい
- 強度が高い
特徴①:耐食性が高い
ステンレスの特徴の1つ目は、「耐食性が高いこと」です。
そのため、調理器具など水に触れやすい製品に活用されています。
ステンレスは錆びにくい合金の筆頭です。
特徴②:見た目が美しい
ステンレスの特徴の2つ目は、「見た目が美しいこと」です。
滑らかで光沢のある表面を持つため、むき出しになる部品に利用されています。
特徴③:強度が高い
ステンレスの特徴の3つ目は、「強度が高いこと」です。
頑丈で傷つきにくく、簡単には壊れません。
そのため、力が加わりやすい部品の生産に使われています。
ステンレスとアルミの比較
ステンレスとアルミにおける3つの比較をご紹介します。
- 重さ
- 硬さ
- コスト
比較①:重さ
ステンレスとアルミにおける比較の1つ目は「重さ」についてです。
ステンレスはアルミと比較すると、3倍ほどの重さです。
そのため、フライパンなどの手で持つ製品の場合、アルミの軽さが評価されています。
比較②:硬さ
ステンレスとアルミにおける比較の2つ目は「硬さ」についてです。
硬さはステンレスの方が優れています。
ステンレスは重くて硬く、アルミは軽くて柔らかいため、用途に合わせて使い分けられています。
比較③:コスト
ステンレスとアルミにおける比較の3つ目は「コスト」についてです。
コストパフォーマンスの高さはアルミの方が優れています。
また、ステンレスは溶かしにくいのに対してアルミは溶かしやすいため、再生利用にも適しています。
まとめ
今回は亜鉛ダイカストとステンレスの比較について解説しました。
そもそも亜鉛ダイカストはダイカストの種類であり、ステンレスは合金の種類であることを理解しましょう。
もっと亜鉛ダイカストやステンレスを深く理解したい、ご相談したいという場合は、気軽に当社へお問い合わせください。
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