亜鉛ダイカストの利用において、錆の問題に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実際、亜鉛ダイカストは錆びやすいため、適切な対策が必要です。
ただ、亜鉛ダイカストが錆びやすいのにもかかわらず広く使われているのには理由があります。
この記事では、亜鉛ダイカストの錆びやすさや、亜鉛ダイカストの錆問題の解決策について解説します。
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亜鉛ダイカストは錆びる?
亜鉛ダイカストは錆びやすいのでしょうか。
結論、亜鉛ダイカストはダイカストの種類の中では錆びやすいとされています。
ここでは、亜鉛ダイカストにおける錆に関して、以下の2点を解説します。
- そもそも亜鉛ダイカストとは
- 亜鉛ダイカストは錆びやすい
そもそも亜鉛ダイカストとは
そもそも亜鉛ダイカストとは何かを解説します。
亜鉛ダイカストとは、文字通り亜鉛で作られたダイカストです。
昨今において最も生産されているダイカストはアルミダイカストですが、亜鉛ダイカストもある程度普及しています。
というのも、亜鉛ダイカストは寸法精度や鋳造性に優れているからです。
【関連記事】亜鉛ダイカストとは?5つの特徴と用途を解説
亜鉛ダイカストは錆びやすい
結論、亜鉛ダイカストは錆びやすい性質を持っています。
広く普及しているアルミダイカストと比較すると、明らかに錆びやすいでしょう。
ただ表面処理を行うことで、ある程度錆びを防止できます。
なぜ亜鉛ダイカストは錆びやすい?
なぜ亜鉛ダイカストは錆びやすいのでしょうか?
亜鉛ダイカストが錆びやすい主な理由は以下の2点です。
- 亜鉛は水に弱い
- 表面処理が必須
亜鉛は水に弱い
亜鉛ダイカストが錆びやすい主な理由の1つ目は、「亜鉛は水に弱いこと」です。
亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため、水に弱い性質を持ちます。
そのため、水に晒される環境や湿気が高い環境では、どうしても錆びてしまいます。
亜鉛ダイカストも同様に水に弱いため、錆びやすいダイカストです。
表面処理が必須
亜鉛ダイカストが錆びやすい主な理由の2つ目は、「表面処理が必須であること」です。
亜鉛は錆びやすい金属であるため、表面処理をしなければすぐに錆びてしまいます。
表面処理とは、素材の表面を加工することで、耐食性などの別の特性を与える加工です。
錆びやすいのに亜鉛ダイカストが人気の理由
錆びやすいのに亜鉛ダイカストが人気の理由を3つご紹介します。
- 表面処理に適している
- 加工性が高い
- 寿命が長い
理由①:表面処理に適している
錆びやすいのに亜鉛ダイカストが人気の理由の1つ目は、「表面処理に適していること」です。
先述のとおり、亜鉛ダイカストは表面処理を施さなければすぐに錆びてしまいます。
ただ、表面処理に適しているため、弱みをカバーできます。
めっきや塗装など、用途に合わせた表面処理が可能です。
表面処理を施せば錆びやすさをカバーできるだけでなく、色合いや質感を美しく仕上げられます。
理由②:加工性が高い
錆びやすいのに亜鉛ダイカストが人気の理由の2つ目は、「加工性が高いこと」です。
というのも、他の金属と比較すると溶融温度が低いため、複雑な形状の製品を加工できるからです。
昨今の主流なダイカストはアルミダイカストですが、亜鉛ダイカストの方が加工性に秀でています。
薄肉の製品を加工したい場合などは、アルミダイカストではなく亜鉛ダイカストを利用するケースが多々見られます。
理由③:寿命が長い
錆びやすいのに亜鉛ダイカストが人気の理由の3つ目は、「寿命が長いこと」です。
亜鉛ダイカストは加工性に優れているため、簡単には金型が消耗しません。
他のダイカストと比較して一回の使用ごとに受けるダメージが少ないため、長い期間使いつづけられます。
亜鉛ダイカストの錆を落とす方法
亜鉛ダイカストの錆を落とす方法を2つご紹介します。
- 拭き取る
- 補修塗装をする
方法①:拭き取る
亜鉛ダイカストの錆を落とす方法の1つ目は、「拭き取ること」です。
錆の進行度合が初期段階の場合、拭き取ることで錆を目立たないように改善できます。
錆の進行が進んでしまうと落とすのが難しくなるため、早めに拭き取る意識が重要です。
方法②:補修塗装をする
亜鉛ダイカストの錆を落とす方法の2つ目は、「補修塗装をすること」です。
錆が進行してしまった場合、補修塗装で改善が見込めます。
まずは、サンドペーパーやスチールウールなどで錆びを擦り落としましょう。
つづいて、ジンクリッチペイントなどで補修塗装を施すことで、ある程度錆を目立たないように改善できます。
完全に錆びる前の状態にまでは改善できませんが、ある程度は腐食を抑えられます。
亜鉛ダイカストで錆を発生させない方法
亜鉛ダイカストで錆を発生させない方法を2つご紹介します。
- 表面処理を行う
- 風通しのいい場所に置く
方法①:表面処理を行う
亜鉛ダイカストで錆を発生させない方法の1つ目は、「表面処理を行うこと」です。
先述のとおり、亜鉛は錆びやすい金属であり、亜鉛ダイカストは表面処理を行いやすい性質を持ち合わせます。
表面処理を欠かさなければ、亜鉛ダイカストの錆びやすさをカバーできます。
方法②:風通しのいい場所に置く
亜鉛ダイカストで錆を発生させない方法の2つ目は、「風通しのいい場所に置くこと」です。
錆びやすい亜鉛にとって、湿気は大敵です。
風通しのいい場所で管理し、錆びにくい環境を整えることで錆の発生を予防できます。
錆を拭き取ったり、補修塗装をしたりした後は、風通しのいい場所で管理することが重要です。
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まとめ
今回は亜鉛ダイカストの錆びやすさについて解説しました。
錆を発生させない対策と、錆びてしまった後の素早い対策が重要です。
もっと亜鉛ダイカストを深く理解したい、ご相談したいという場合は、気軽に当社へお問い合わせください。
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