ダイカストでは必ず金型を使用して製品を作るのですが、金型の精度で製品の良し悪しが変わってきます。
金型も使い続けていれば機械と同じように劣化していくので、定期的なメンテナンスも必要になるのです。
まずはダイカストに使用する金型について紹介し、さらに金型のメンテナンスについても触れてみたいと思います。
ダイカスト金型とは
ダイカスト製造を行うためには、必ず必要になるのが金型と呼ばれている物です。
金型と言うのは、製品の形を作るために用いられている金属の入れ物で、この中に溶かした金属などを入れて冷ますことで製品が固まります。
後は製品を取り出すだけで完成するのですが、ダイカストを使いこなすためには高い技術力と知識、経験が必要になります。
金型は金属でできているのですが、どのような金属でもよいわけではありません。
基本的に金型よりも柔らかい素材でなければ加工が難しいのです。
そのため、溶かすのはアルミニウムやマグネシウムなどが多いと言えるでしょう。
また、比較的融点の低い素材を溶かすことが多くなっています。
▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。
ダイカスト金型に求められる性能
ダイカスト金型は性能がとても大切になります。
性能がよくないと、金型の表面が損傷することや、浸食されてしまうこともあるのです。
なぜこのような現象が発生するのかというと、ダイカスト金型は金属を溶かした物を流し込むので、かなり高温になります。
しかも高速で圧力をかけながら流し込むので、性能が低いといろいろなトラブルが発生しやすくなるだけではなく、金型の寿命も短くなってしまうのです。
これがダイカスト金型に高い性能が求められている理由になります。
特にダイカスト金型に使用する素材の種類が重要になるのですが、主な選定の方法としては、鋳造する金属の種類によって変える必要があります。
金型は耐久性も重要になるので、どれぐらいの数を生産するのかによっても選び方が変わってくるのです。
さらに金型の使用部位によっても変える必要があるのですが、総じて耐熱性や耐摩擦性に優れていること、熱が加わったときに歪みが発生しにくいことなどがあります。
歪みが発生しにくいだけではなく、熱伝導率が高いことも重要ですし、鋳造に使用する金属からの浸食が少ないことも大切です。
このようにダイカスト金型にはいろいろな性能が求められているのですが、高い性能を誇っている金型でなければ、品質の高い製品を作るのが難しくなります。
ダイカスト金型に使用される材料
ダイカスト金型には高い性能が求められているのですが、それではどのような素材の物が使われているのでしょうか。
また、ダイカスト金型は複数の部品を組み合わせて作られているので、使用部位によっても適している素材が異なっているのです。
まずはおも型と呼ばれている部分ですが、おも型は溶湯が接することがないので、S50CやFCD600といった種類が使用されることが多いでしょう。
ちなみにS50C は炭素鋼、FCD600は鋳鉄のことを指します。
ダイベースや押出版などにも同じような素材が使われています。
それに対して鋳抜きピンや中子、入子などにはSKD6などの歪みが少なくて済む素材がよく使用されているのです。
金型を冷却する冷却穴や冷却管にもSKD6という種類の素材が好まれています。
ガイドピンやガイドピンブッシュには、SKS2 やSCM435がよく使用されています。
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ダイカストメーカーが金型のメンテナンスをできるメリット
ダイカスト金型も人が作った物の1つなので、長く使い続けていれば、どれだけよい物であってもメンテナンスが必要になります。
ダイカスト金型のメンテナンスには、保守管理や清掃、修理などがありますが、ダイカスト製造を行っている会社が自身で行うことが可能だった場合、メンテナンスを他社に依頼する手間を省くことができます。
他社に依頼をした場合でも、納期に余裕があれば問題はないでしょうが、必ずしも納期に余裕があるとは限りません。
納期が迫っているのにメンテナンスが必要な事態になった場合、自社で保守管理や修理ができればすぐに金型を使える状態にできるというメリットがあります。
特に修理が必要になった場合、他社に依頼をすればそれなりに日数がかかる場合もありますし、修理が必要ないメンテナンスも金型の場合は高度な技術が必要になるのです。
ダイカスト製造の場合、金型にかなりの負荷がかかるので、どうしても金型にクラックが入ってしまうことや、摩耗した部品の交換も必要になります。
万が一新しく金型を作るとなれば、数日では不可能です。
忙しいときには当然納期に間に合わせることはできないでしょう。
そのため、自社で保守管理や修理ができることはかなり大きなメリットなのです。
まとめ
ダイカスト製造を行う上で、金型はとても重要な存在です。
ダイカスト金型には、溶かした金属に圧力をかけ、高速で流し込みます。
そのため、高熱や圧力が金型に対して常にかかってしまうので、高熱や圧力などのダメージに耐えられる素材を使用する必要もあるのです。
金型には複数の部品を組み合わせているので、使用部位によって圧力や熱のかかり方が異なります。
よって使用部位ごとに最適な金属の種類も変わってくるのです。
また、メンテナンスをしなければ劣化のスピードも早くなりますし、修理が必要なこともあるので、自社でメンテナンスができればかなりのメリットがあると言えるでしょう。
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