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鋳造の工程を解説!これだけ読めば大丈夫!

鋳造の技術は、モノづくりの原点と呼ばれるほど、世の中に欠かせない技術のひとつといわれています。
鋳造の歴史は、紀元前4000年から始まっており、古来より銅鏡や銅鐸にその技術が使われています。

人々の暮らしを支える鋳造の技術ですが、その具体的な工程については詳しく知られていません。
これから、鋳造の仕事を依頼しようとしている方であれば、基本的な工程を知らないと相談しづらいでしょう。

今回は、鋳造とはいったいどのような技術なのか、その概要や5つの基本的な工程についてわかりやすく解説していきます。

 

鋳造とは

鋳造とは、型に銅やアルミ合金、鉄などの金属を高温で溶かした金属を流し、冷やし固める金属加工技術のことです。
鋳造に利用される型は、鋳型(いがた)と呼ばれており、鋳型から完成した金属製品を鋳物(いもの)と呼びます。

鋳造方法は、主に砂型を使う砂型鋳造と耐熱合金鋼の金型を使う金型鋳造、寸法精度の高いものを作る際に使う精密鋳造の3つの方法があります。
一般的に鋳物の技術は複雑な形状に関係なく、低予算で多数の部品を生産できる技法として知られています。
また、大きさに制限がないため、小型はもちろん、大型の鋳物でも製作可能です。

この記事では、どのような方法でも共通の工程について解説していきます。

 

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鋳造の工程

鋳造の工程は、主に5つに分類できます。ここでは、工程の概要や作業のポイントをご説明します。

 

工程①:造型工程

まずは、鋳造工程の基礎となる型を作成します。
型は、上型、下型、中子型の3つを準備します。その中でも中子型は、空洞のある鋳物を制作する際に、必要なパーツです。それぞれのパーツを組み合わせると鋳型が完成します。

中子型は、鋳物の空洞を作る役目を担っているため、上下の鋳型の中に設置します。
その際、中子型を安定した姿勢で設置しないと誤った位置に空洞ができるため、一定の技術が求められます。

 

工程②:溶解工程

鋳型に流すための金属(溶湯)を溶かしていきます。
この工程では、成分調整と温度調整が鋳物の完成度を左右します。
流し込む金属は、おもにスクラップ材や以前の鋳造で利用して戻ってきたリターン材が使われます。
ここに、ケイ素や炭素を入れて成分調整していきます。

これらを電気炉で溶かしていくと不純物が浮いてくるため、取り除きます。約1,500℃まで温度が上がったら、成分分析を行って必要に応じて成分調整を行います。

 

工程③:鋳込工程

鋳込工程では、溶湯を型に流し込むために、耐火材容器に移します。
耐火材容器に入った溶湯は、鋳型に流します。
溶湯は、材料の性質上、温度が下がると固まってしまいます。
鋳型に流し込む前に固まってしまうと、空洞にしっかりと溶湯が入らずに固まってしまい、鋳物のパーツが欠落するということが起きてしまいます。

溶湯が鋳型の空洞にしっかりと入らず、鋳物が欠落することを湯回り不良といいます。
湯回り不良を防止するには、溶湯を流し込む注湯(ちゅうとう)の速度に細心の注意を払いながら、湯量や温度などをミスなく管理していく高い技術が求められます。

 

工程④:後処理工程

鋳型に流した鋳物が完成したら製品を取り出していきます。
鋳型を壊して取り出された鋳物には、バリや鋳型の材料が付着しています。
たとえば、砂型の鋳型で作成した場合、鋳物にバリとたくさんの砂が付着しているということです。

後処理工程では、砂やバリを専用の工具を使って除去していきます。
ショットブラストと呼ばれる技術を使って砂やバリを除去すると、鋳物の表面に小さい凹凸ができます。
この小さい凹凸は、塗装の密着度を高める大きな役割を果たします。

また、鋳物を塗装することで、錆による劣化を防止できます。
ショットブラストは、あくまでも研創技術のひとつですが、その技術は完成予定の鋳物によって使い分けられます。
その後、鋳物の不要な部分や溶湯の注ぎ口などをハンマーやたがねなどを使って除去します。

 

工程⑤:仕上工程

仕上工程では、製品基準に従って製品検査が行われます。
寸法の誤りや鋳物にみられる空洞の欠陥の有無、成分などが寸法検査で実施する内眼検査法や機械的検査法によって調べられます。
検査が完了すると、エアブラシを使って塗装を行います。
これにより、錆防止や依頼内容に従ったカラーリングが行われた製品は完璧な鋳物として世に送り出されます。

 

まとめ

今回は、古来より伝わる鋳造の技術とはどのようなものなのか、その概要や基本的な工程について解説しました。
鋳造には、さまざまな方法がありますが、ほとんどこの流れに従って進められています。

鋳造の専門用語を学ばなくても、どのような流れで鋳物が完成しているのか、鋳造・鋳型・鋳物など、基本的な用語や鋳型の構造、使われる材料について理解しておけば、安心して仕事を依頼しやすくなるでしょう。
今回お伝えした内容が自社で必要な鋳物作成のご依頼のきっかけとなれば幸いです。

 

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