ダイカストにはいろいろなメリットが存在しています。
しかし、メリットが存在していれば、逆にデメリットも存在しているのです。
そこでダイカストの主なメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。
目次
ダイカストとは
ダイカストとは、ダイカストマシンと呼ばれている機械に金型を取り付け、溶かした鉄やアルミニウム、銅などを流し込み、強い圧力をかけて製品を製造する方法のことです。
機械による加工であるため、早く製品を作り出すことができます。
そのため、同じ製品を大量生産するのに向いている方法になります。
ダイカストのメリット
さまざまなメリットがあるダイカストですが、具体的にどのようなメリットがあるのかを確認していきましょう。
メリット①:生産性が高い
ダイカストはダイカストマシンという機械を使用して製造するのですが、この作業は自動で行うことができます。
自動で行えるので、効率的にたくさんの製品を作ることが可能です。
短時間でたくさんの製品が作れるという生産性の高さが大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット②:複雑な形状に対応できる
ダイカストで使用している金型は、機械加工によってかなり精密に作られています。
精密に作られた型に入れて製造するダイカストであれば、複雑な形状の加工も行えるのです。
普通に旋盤やフライス、マシニングセンターなどで作るよりも、さらに複雑な形状の物を早く作成できることが大きなメリットです。
▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。
メリット③:寸法精度に優れる
精密な金型を使って製造できるということは、複雑な形の製品に対応できるだけではなく、寸法精度にも優れていると言えるでしょう。
製品によっては、0.1ミリ単位で対応しなければいけないこともあるのですが、一般的な鋳造方法では難しくなります。
しかし、ダイカストであれば、寸法が細かく指定された製品であっても簡単に作れるのです。
メリット④:表面が美しい
製品の種類によっては、表面がザラザラの状態になっていると、仕上げで表面をきれいにするように指示されることもあるでしょう。
このような点も、ダイカストであれば簡単にクリアすることができます。
機械加工のようにツルツルの状態にまで仕上げることは難しいですが、仕上げ加工をしなくても大丈夫なレベルにまでに美しくできます。
ダイカストのデメリット
たくさんのメリットがあるダイカストですが、デメリットもいくつかあります。
デメリットをあらかじめ把握しておくことによって、どのような対策をすればよいのかがわかります。
では、どのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。
デメリット①:金型にコストが掛かる
ダイカスト製造を行う場合には、金型が必要になります。
ダイカストの金型を作るのにはかなりコストがかかってしまうため、小ロット生産には向いていないようです。
ただし、大量生産をするのには向いているので、主な対策としては、大量生産をする場合にダイカストマシンを使用することです。
大量生産をすれば、金型を作るのに出費した費用を差し引いても、十分元を取れるでしょう。
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デメリット②:鋳巣が一定割合で発生する
金型を作る際にコストがかかってしまうというデメリット以外にも、ダイカストには鋳巣が発生しやすいというデメリットがあります。
鋳巣というのは、簡単に言えば鋳物の内部に空洞ができてしまうことです。
金型の内部に空気やガスが混入することで発生してしまう不良ですが、空気は人がいる全ての場所に存在しているため、防ぐのは難しいと言えるでしょう。
鋳巣ができると強度が低下してしまうため、ある程度強度が必要になる製品の製造には向いていないと言われています。
また、エアーリークやオイルリークが発生してしまうため、製品によっては使い物にならなくなることもあるのです。
そんな鋳巣にもいろいろな種類があり、大きく分けるとひけ巣、ブローホール、ピンホールがあります。
ひけ巣というのは急激に内厚変化が起こると発生するトラブルで、溶かした金属が冷えて固まるときに凝固収縮が起こるのが原因と言われています。
ブローホールは空気やガスが混入することで発生し、比較的大きくて丸い空洞ができるのが特徴です。
ちなみにピンホールと言うのは、ブローホールよりも小さくて、無数の穴が開いてしまう現象のことです。
しかし、近年ではいろいろと鋳巣対策が施されています。
どのような対策が行われているのか気になる人は、下記リンクをご参考ください。
「ダイカスト製品で起きる不良、鋳巣(ちゅうす)とは?種類や原因、弊社の対策を徹底解説」
まとめ
どれだけ優れている物であっても、メリットもあればデメリットも存在しています。
ダイカストには、複雑な形状の物でも製造が可能なことや、大量生産が簡単にできること、寸法精度が高いなどのメリットがたくさんあります。
その反面、金型を作るのにコストがかかるため、小ロット生産には向いていないことや、鋳巣と呼ばれている不良が発生しやすいといったデメリットもあります。しかししっかりと対策を施すことで、デメリットは限りなく減らしていくことができるでしょう。
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