製造業では不具合が生じることもありますが、それはダイカスト製品でも例外ではありません。

そこでダイカスト法についての基礎知識や不良品が出てしまう理由、そしてどのように対策をしているのかを紹介していきます。

ダイカストの基礎知識

ダイカストで発生する不良の原因と対策を確認する前に、まずダイカストとは何なのかを見ていきましょう。

ダイカストとは

ダイカストというのは、簡単に言えば金型に溶かした非鉄金属を流し入れ、精度の高い鋳物を作る方法のことを言います。

似たような方法に砂型鋳造法が存在していますが、こちらは昔から存在している製造方法で、砂型に溶かした金属を流し入れ、周りの砂をハンマーで割って取り出す方法となっています。

それに対してダイカストの場合には、金属の金型を使用するのが特徴です。

また、圧力をかけて流し込むため、とても精度の高い製品が完成します。

精度の高い製品を大量生産する場合に適した方法だと言えるでしょう。

▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。

ダイカストの種類

ダイカストにもいろいろな種類が存在しています。

そこで、具体的にはどのような種類があるのか、何を製造するのに適しているのかなどを詳しく確認してみましょう。

普通ダイカスト法

普通ダイカスト法というのは、高速かつ高圧で鋳造する一般的なダイカスト法のことを指します。

大半の製品はこの普通ダイカスト法で行われることが多いでしょう。

板金加工では難しい形状の製品や、樹脂などよりも強度が欲しい場合などに適していて、複雑な三次元形状の物も簡単に作ることが可能です。

ただし、パイプや中空形状の物は作ることができません。

使用されている主な材料は、亜鉛合金やアルミ合金、銅やマグネシウム合金などになります。

真空ダイカスト法

真空ダイカスト法というのは、真空バルブを使用することで、キャビティ内に溜まっているガスを排気する方法のことを指します。

溶かした非金属を高速で充填してしまうと、ガス圧が急激に上昇するため、しっかりと排気をする必要が出てくるのです。

いろいろな排気の方法が存在していますが、真空を利用する方法が最も効率的となっています。

しかし、高速で充填したにも関わらず、きちんと排気を行っていないと、焼き付き不良が発生することがあります。

焼き付いてしまうと見た目が悪くなってしまうので、きれいな製品を作りたい場合には、真空ダイカストでガスの断熱圧縮の影響を小さくすれば改善することができるでしょう。

高速充填が必要で、きれいな状態の製品を作る必要がある場合に用いられている方法です。

▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。

スクイズ併用ダイカスト法

真空ダイカスト法や普通ダイカスト法は、高速で充填するのが特徴ですが、これとは反対に低速で充填する方法がスクイズ併用ダイカスト法です。

溶かした非金属を注湯した後に、金型の部分にスリーブを連結することにより、低速で静かに充填することが可能になります。

低速でキャビティに充填することによって、ガスや空気を金型の内部に溜まりにくくできるのです。

低速にすることでガスや空気の発生を抑えることができるのがメリットですが、全く発生しないわけではありません。

しかし、低速ならガスや空気を外に排出しやすくなるので、製品内にガスや空気を巻き込みにくくなるのです。

低速で充填していくので、その分製品を完成させるまでに時間がかかってしまいます。

そのため、薄型の製品を製作するのには向いていません。

ダイカストで発生する不良と対策方法

▲鋳巣の画像

ダイカストで発生する不良はさまざまありますが、中でも代表的な不良が鋳巣（ちゅうす）です。

鋳巣というのは鋳造した物の内部に空洞が発生することですが、その原因は金型の内部に空気が溜まってしまうことです。

本来であれば空気やガスはキャビティの外に排出されるのですが、高速で注湯したときなどにきちんと排出されないことがあります。

また、機械油などが高い温度の溶湯に触れることでガスが発生し、ガスがダイカストの中に溜まることで発生することもあります。

他にも金型の温度が低いことや、エアーブローが不足したことが原因で、金型に外冷水が残ってしまうことがあるのです。

この水がガス化することでダイカストの内部に溜まってしまうのも、鋳巣の原因だと言えるでしょう。
鋳巣が発生しているのに放置しておくと、製品のいろいろな部分に空洞が発生してしまいます。

これでは不良品となってしまうため、きちんと対策をする必要があるのです。

では、どのような対策を講じるのがよいのかを以下の動画でご説明いたしました。

まとめ

ダイカスト法は、非金属と呼ばれているアルミ合金や銅などを溶かした溶湯を金型に流し入れて固める方法のことです。

圧力をかけて流し込むので、精度の高い製品が作れるというメリットがあります。

ダイカスト法にもいろいろな種類があり、一般的な方法は普通ダイカスト法、真空バルブでガスを排出する方法を真空ダイカスト法、低速で溶湯を流し込む方法をスクイズ併用ダイカスト法と言います。

しかし、鋳巣などの不良が発生することもあるので、しっかりと対策を講じることも重要です。

ダイカスト製品の不良でお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。

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