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鋳造で発生する湯回り不良とは?種類と原因をわかりやすく解説

鋳造で発生する湯回り不良とは?種類と原因をわかりやすく解説

鋳造欠陥として代表的なもののひとつに湯回り不良があります。

湯回り不良が起きると、鋳物が図面通りの形状にならなかったり、欠損が発生したりと製品の品質に大きな影響をおよぼします。

今回は、湯回り不良とはどういった状態で、何が原因となって起きるのかを解説していきます。

帝産大鐘ダイカスト工業が運営する薄肉・高精度ダイカスト 開発センターでは、お客様の技術課題、生産や調達に関するお困りごとを一緒になって解決に取り組みます。当社では高品質・コストダウン・製造リードタイムの短縮といったメリットを提供するために数々の技術提案も豊富にございます。アルミダイカストの技術を使って製品の軽量化を実現したいとお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

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鋳造で起きる湯回り不良とは?

湯回り不良鋳造欠陥の一種で、別名、鋳込み不良とも呼ばれる形状不良です。

溶かした金属である溶湯を鋳型に注ぎ込んで鋳造を行う際、隅々まできちんと行き渡らないまま凝固してしまう状態で、溶湯を流す鋳込み完了時間よりも凝固終了時間のほうが短い場合に起こります。

溶湯が鋳型の奥まで流れていかないため、鋳物の角がないといった、一部欠損が生じてしまいます。

図面通りにならず、製品としても使い物にならなくなってしまいます。

 

湯回り不良の原因

湯回り不良が起きるのは、湯流れが不十分で溶湯が十分に鋳型内を満たしていないためと考えられます。

溶湯が鋳型内に充満していく流れを湯流れといい、溶かした金属や鋳型に何らかの問題があると、流動が途中で止まってしまい不良が発生します。

ひとくちに湯流れが悪いといっても、その原因には様々なものがあります。

 

原因①:温度が低い

原因として最初に考えられるのが鋳造温度の不足です。

金属や鋳型の温度が低いために溶湯が早く固まり、不良を引き起こしてしまいます。

溶湯温度が低い場合、目視ではきちんと金属が溶けているように見えても、実際には温度が低く、融点まで行っていないことが考えられます。

こうした溶湯を使用すると、鋳型の奥へ到達する前に固まってしまい、細部が欠落した鋳物になってしまいます。

自動鋳造を行っている場合は、温度設定を少し高めにするほうがちょうどいい場合もあります。

 

原因②:地金の不足

単純に鋳型に注ぎ込む溶湯の量が少ないため、細部に行き渡っていない場合もあります。

溶湯不足の理由としては、地金の比重や量の計算が正確でないことや押し湯量が足りないなどがあげられます。

押し湯とは、溶湯を凝固させるとき、隙間や内部空洞ができないよう余分に流し込む金属を指します。

地金を節約するため押し湯を削減している場合には、湯回り不良の原因になるケースがあります。

 

原因③:ガスの排圧不良

鋳型や金属に含まれるガスがきちんと抜けきらないまま鋳込みを行っていると欠陥が起こる原因となります。

溶湯に使用される地金にはガスを多く含んだものもあり、中子からガスが発生するケースもあります。

内部でのガス発生が多い場合は、抜け穴を設けてベントを行い、通気性を向上させます。

 

原因④:圧力不足

鋳造方法によっては圧力不足が湯回り不良を引き起こすこともあります。

鋳型に外部から圧力をかける圧力鋳造では、圧力をかけるタイミングを誤ると溶湯を充満させられなくなります。

また、真空状態での吸引力を利用した真空鋳造の場合も、鋳型の厚みや埋没剤の混水比により通気性が悪くなったり、配管詰まりや漏れが原因で真空ポンプの機能が低下したときなど圧力が不足する恐れがあります。

 

原因⑤:鋳型が薄い

鋳型の肉厚が薄すぎると凝固時間が必要以上に短くなり、溶かした金属が鋳型を満たす前に凝固するので不良が発生します。

一般的に凝固時間は短縮するのが望ましいといわれますが、欠陥を引き起こすほどなら鋳型を見直すべきでしょう。

 

原因⑥:湯口方案が悪い

湯口方案に問題がある場合も湯回り不良の原因になります。

湯口方案とは、鋳造を行うとき、どこから溶湯を注入するか、経路はどうするか、押し湯はどこに作るかなど一連の流れを決めたものです。

鋳造にとって設計図にあたるものですから、ここに不適切な部分があると欠陥を引き起こしてしまいます。

湯回り不良でも、場合によっては湯口方案から見直さなければならないケースがあります。

 

湯回り不良を防ぐには高い技術力と知識が必要

湯回り不良を引き起こす原因は多種多様で、それぞれ必要な対策も異なります。
原理自体はそれほど複雑ではないものの、考えられる原因は多岐にわたり、ひとつだけとは限りません。

欠陥を防ぐには、最初になにが問題を起こしているのかを見極めたうえで、適切な対策の実施が必要です。

そのためには、鋳造に関する知識や経験・実績をもとにした分析力や正しい対処法を導き出す高い技術力が求められます。

【関連記事】ダイカスト金型で起こる欠陥、焼き付きとは?概要と対策について解説

 

まとめ

湯回り不良は、溶湯が鋳型に行き渡らないまま固まってしまう欠陥で、部分欠損などの不良につながります。

原因には、温度が低かったり、ガスが残っていたりして湯流れが悪くなっている場合があります。

原因はひとつだけでは限らず、湯回り不良の防止には知識と高い技術が必要です。

対策が難しい場合は、豊富な実績をもつ、信頼できる会社に任せてみてください。

湯回り不良で悩んでいるなら、弊社にお問い合わせしてください。

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