鋳物は、メーカーへの依頼の仕方によってコストが大きく異なります。
そのため、鋳物の鋳造コストを抑えて素晴らしい製品を手にするには、鋳造コストを抑えるための基礎知識を学んでおくことはもちろん、実際にメーカーへ依頼する際のポイントについて事前に知っておく必要があります。
今回は、鋳造のコストを抑えるために事前に知っておくべきことや、メーカーに依頼するときのポイントをわかりやすく解説していきます。
目次
鋳造コストを抑えるために必要な知識
まずは、鋳造コストを抑えるのに役立つ基礎知識をご紹介します。
①部品の目的や用途
鋳物を作成する際は、最初に部品の目的や用途を明確にしておきましょう。
目的や用途を明確にしていなければ、仕事の依頼を受けたメーカーも、正しく対処できません。
「この環境下で利用可能な鋳物を作成したい!」「こういった使い方ができると嬉しい!」など、仕事の依頼者として明確な要望を持っていれば、有益なアドバイスを受けやすくなります。
②部品の形状
鋳造コストは、部品の形状によって異なります。
たとえば逆勾配の形状をした鋳物を作成する場合、金属パーツは鋳型から抜けなくなってしまいます。
この逆勾配による問題を解決するには、鋳造時は勾配をつけて作成し、研磨時に余分な部分をカットする必要があります。
このように、逆勾配の形状をした鋳物は、勾配のないものと比べて完成までの工程数が増えてしまうため、どうしても鋳造コストが上がってしまいます。
他にも、入り組んだ複雑な形状をした鋳物は、幾度となく微調整が求められるため、完成までに多くの時間を要することになります。
つまり、どのような形状でも鋳造コストが同じというわけではないため、メーカーに在籍している経験者や専門家の意見を聞きながら、コストを最小限に抑えられる形状について考えていくと良いでしょう。
③寸法精度を求める部分を見極める
鋳物を作成する場合は、どこに寸法精度を求めるのか事前に見極めましょう。
たとえば、すべり止めとしてのパーツなのであれば、±0.1㎜の寸法公差があっても特に問題はありません。
しかし、±0.1㎜の寸法公差が機械の故障につながるような場合、組立や検査、納品までに最新の注意を払う必要があります。
納品までの組立や検査の手間は、すべてコストになってしまうため、どこに寸法精度を求めるのかを決めておくと、無駄なコストの発生を抑えやすくなります。
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鋳造コストを抑えるためのコツ
鋳造コストを抑えることは、決して難しくありません。
今すぐ試せる方法として2点お伝えしておくので頭の片隅に入れておきましょう。
コツ①:部品の目的や用途に合わせた鋳造方法を選ぶ
鋳造コストを抑えたいのなら、部品の目的や用途に合わせた鋳造方法を選びましょう。
たとえば、「水流の流れを変えるために利用する」や、「仕事場の空気を整備するため排気設備に利用する」、「人の体を守るためのパーツとして利用するため、安全性を最優先したい」など、目的や用途が明確であれば、その条件に合わせた鋳造方法が選びやすくなります。
他にも、最後に他の備品と組み合わせることが決まっているのなら、事前にメーカーに伝えておくことで、ベストな鋳造方法を提案してもらえます。
コツ②:生産量に合わせた鋳造方法を選ぶ
鋳造コストは、生産量によっても変わってきます。たとえば、大型の鋳物を100個作成するのと、非常に小型の鋳物を2個作成するのでは、生産体制は全く異なります。
そのため、どれくらい作成したいのか、生産量についても明確に伝えましょう。
鋳造コストを抑えるためのメーカーに依頼するポイント
メーカーに鋳造の仕事を依頼する場合は、次のポイントを押さえましょう。
部品の用途を伝える
先ほど、部品の目的や用途に合わせた鋳造方法を選んだ方が良いとお伝えしましたが、メーカーに仕事を依頼する場合は、部品の用途は明確に伝えましょう。
自分では、このような形状が良いと思っていても、用途について話し合ってみるとそれがベストな判断でないケースが多々あります。そのため、形状よりも先に部品の用途を伝えましょう。
部品の使用環境を伝える
作成したい鋳物は、どのような環境で利用されるのでしょうか。
たとえば、鋳物を水の流れる場所で利用するのか、またはガスが流れている場所で利用するのか、錆が生じやすい場所なのかによって鋳造方法や鋳造時に利用する材料が変わってきます。
そのため、部品の利用環境を伝えることで、厳しい環境下でも十分なパフォーマンスを発揮してくれる鋳物を作成しやすくなります。
まとめ
鋳造コストを抑えるには、部品の目的や用途、形状などについて、事前に決めておく必要があります。
もちろん自分の作成したいものを事前に明確にしておくことも大切ですが、メーカーのアドバイスも参考にすることで、理想の鋳物を作り上げられます。
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