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ダイカストアルマイトとは?処理を施す際の注意点をご紹介

多様なダイカスト製品に施される「アルマイト処理」。

耐食性と耐摩耗性、吸収性、吸着性を向上し、摩擦抵抗を低減。

また、絶縁性の観点からも重要なアルマイト処理には、ダイカストメーカーの「高い技術力」が必要です。

 

ダイカストアルマイトとは

現在、多岐に渡る分野で使用されているダイカスト。

自動車、EV、半導体、環境維持部品、太陽光部品、発電機関係部品などの精密機器のほか、家具やおもちゃなどの身近な生活用品に至るまで、あらゆる製品がダイカストによって製造されています。

 

なかでも、アルミニウム合金を材料とする「アルミダイカスト」は軽量かつ耐食性に優れ、経年による寸法変化が少ない特徴があります。

 

そのため、アルミニウムは、ダイカストで最も多く使われている合金で、ダイカスト全体の約97.9%を占めます。

「アルマイト」処理とは、これらのアルミダイカスト製品における表面処理のことを示します。

 

まず、アルミニウムの材質特性としては、

  1. 軽量であること
  2. 強靭であること
  3. 加工性に優れていること
  4. 磁力の影響を受けないこと
  5. 熱伝導度が良いこと
  6. 光や電波を良く反射すること
  7. 電導度が良いこと
  8. 毒性が無いこと
  9. リサイクルが容易であること

の9点の優れた点が挙げられます。

 

上記のようなアルミニウムの特徴から、ダイカスト製品の材料としてだけでなく、表面処理にもアルミニウムが使用されます。

 

アルマイト処理による主な効果は以下の5点です。

  1. 耐食性を向上させる。
  2. 耐摩耗性を向上させる。
  3. 吸着性が有ることから、着色を可能にする。
  4. 樹脂類の含侵処理によって摩擦抵抗を低減させる。
  5. 絶縁性を有する。

すなわち、アルマイト処理によって、ダイカスト製品の耐食性と耐摩耗性を高め、経年劣化を抑えることができます。

また、製品の光沢や艶消し、色調やその濃淡などの装飾処理を可能にします。

 

▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。

帝産大鐘ダイカスト工業 製造事例

 

ダイカストアルマイトの注意点

同じくダイカスト製品への表面加工である「めっき処理」と異なる点は、加工における原理と方法です。

アルマイト処理においては、「皮膜」が内部へ浸透し、外部にも皮膜を生成します。

その結果、アルミニウムの表面にアルマイト皮膜を作ります。

それに対してめっき処理は、めっきの層が内部には浸透せず、表面のみに金属の膜を形成します。

アルミニウムの表面を別の金属で覆っているようなイメージの処理方法です。

このような加工原理と方法のちがいによって、アルマイト処理では以下の様な点に注意が必要です。

 

注意点①:材料のけい素(シリコン)含有量が多いと難しい

ダイカストに用いられるアルミニウム合金にはケイ素(シリコン)を多く含まれ、これらの含有量が多いとアルマイト処理が難しくなります。

その原因は、シリコンによって皮膜が生成しやすい箇所とそうでない箇所が発生してしまうことにあります。

その結果、ダイカスト製品の全面に「均一で安定した皮膜」を生成することが極めて難しくなります。

 

ダイカストに使用される主なアルミニウム合金のケイ素の含有量規格は、「ADC1:11.0~13.0%」、「ADC3;9.0~11.0%」、「ADC6:1.0%以下」、「ADC12:9.6~12.0%」です。

 

シリコンはアルマイトの皮膜生成を阻害するため、皮膜の厚さ不良やヤケなどを発生させる可能性が高くなります。

言い換えれば、ダイカストの材料は「難アルマイト材」であることが、アルマイト処理には高い技術が求められる理由のひとつになります。

 

良質な製品を納品するためには、電流の流し方や薬液の循環方法、アルマイトの条件設定などの専門的な知識に基づいた処理が必要です。

アルミニウムダイカスト材に対して均一、かつ安定的なアルマイト皮膜を生成させるための各ダイカストメーカーの技術が問われます。

 

注意点②:表面の色が灰色になる

アルマイト処理の材料や加工過程において、表面の色が灰色になることがあります。

このような現象の発生も、不良品の原因となります。

 

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帝産大鐘ダイカスト工業 製造事例

 

ダイカストアルマイトが可能なメーカは限られる

上述した通り、アルマイトの加工と処理には専門的な知識と経験、そして高い技術力が必要です。

また、納品の速さや対応可能なロット数、品質などの観点からも、アルマイト処理が可能なダイカストメーカーは限られています。

 

ダイカスト製品は「さまざまな環境下」で「さまざまな用途」で使用されます。

一言で「アルマイト処理」といっても、それらの多様な製品に対応するため、多様な種類とバリエーションがあります。

つまり、各製品に求められる耐食性・耐振動性などの「機能性」や「装飾加工」によってアルマイト処理の方法は異なります。

そのため、専門的な知識と技術力に基づき、ニーズに応じて適切なアルマイト処理を行うことができる信頼のメーカーを選びましょう。

 

まとめ

アルミダイカスト製品の機能性と装飾性を向上する「アルマイト処理」。

この記事では、その基本的な知識を解説しました。

高度な技術が必要な処理であるからこそ、ダイカストメーカー選びが肝になる。そのことをしっかり踏まえておきましょう。

 

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